1689年(元禄二年)、俳人松尾芭蕉は門人の曾良とともに、
約150日間かけて東北・北陸を巡る延べ2,350kmの旅に出ました。 これがいわゆる「おくのほそ道」行脚です。 その中でも山刀伐峠は最大の難所として登場します。 東北地方を縦に走る奥羽山脈をまたぎ、 おだやかな気候の太平洋側から一転して日本海側への抜け道となるこの峠越えが、 いわば旅程の後半部分の起点となったといえます。 当時は道なき道の昼なお暗い原生林に山賊が出没するといううわさもある、 危険な場所だったといいます。 一方で、この前後から始まる芭蕉の出羽路は、 友人・鈴木清風との再会や蝉しぐれの山寺、最上川の舟下り、出羽三山詣でなどの充実した旅となり、 すばらしい名句がうみだされています。 当サイトでは、このように俳諧文学上重要な場所である山刀伐峠にスポットを当て、 周辺の史跡等をまじえて紹介していきます。 |
注)日数・距離は諸説あります。 |